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α-リノレン酸
α-リノレン酸 [α-linolenic acid]
リノレン酸の一種で、n-3系の多価不飽和脂肪酸。
人の体内では合成されないため食品から摂取しなければならない必須脂肪酸である。
緑の濃い野菜に含まれ、とくにエゴマ油、シソ油、アマニ油などの含有量が多い。
α-リノレン酸は体内でＥＰＡやＤＨＡに代謝されるので、これらの機能も併せ持つ。
1988年の日本癌学会総会で、α-リノレン酸に大腸ガンの発生を大幅に抑制する作用があるとするラットの実験結果が発表され注目された（名古屋市立大学薬学部・奥山治美ら）。発ガン物質を投与したラットを3群に分け、①α-リノレン酸の多いシソ油、②リノール酸の多い紅花油、③それらの中間の大豆油をそれぞれ摂取させたところ、ガンの発生率は①のシソ油が18％だったのに対し、②の紅花油では47％、③大豆油で41％と、α-リノレン酸のガン発生抑制効果が認められた。
以後、α-リノレン酸のアレルギー性疾患の改善、高血圧予防、脳細胞の活性化などといった作用も報告され、大きな関心を持って迎えられている。とくにリノール酸の過剰摂取によって発症するとされるアトビー性皮膚炎の改善には、n-6系のα-リノレン酸が効果的に作用するといわれている。
参考文献
【機能性食品情報辞典】
監修・奥田拓道
企画・編集機能性栄養食品新聞編集部