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エルゴステロール
エルゴステロール [ergosterol]
不飽和ステリンの一つ。エルゴステリンともいう。
しいたけなどのキノコ類や酵母に多く含まれている。紫外線な当たるとビタミンD2に変わるプロビタミンの一種。
エルゴステロールは紫外線が当たるとエルゴカルシフェロールになり、体内に取り込まれてビタミンDに変化する。
生しいたけは食べる前に日光に当てると、ビタミンD2の含有量を増やすことができる。
エルゴステロールにはまた、強い抗がん作用があるという実験報告もある。愛媛大学医学部の奥田拓道らの研究によると、抗がんキノコとして知られるアガリクス・ブラゼイ・ムリルの脂質の中にエルゴステロールが含まれていることから、ザルコーマ180を移植したマウスに純品のエルゴステロールを経口投与し、投与しない対照のマウスのがん容量と比較したところ、エルゴステロール投与群ではがん容量が10分の1に縮小した。また、対照マウスの白血球数が8850個/μlであるのに対し、エルゴステロール投与群も8720個/μlと白血球の低下は見られず、体重の低下もなかった。同報告ではまた、エルゴステロールはがん細胞の血管新生を抑制し、血管をつくらせないようにしてがん細胞を兵糧攻めにする作用があるのではないかと示唆している。
参考文献
【機能性食品情報辞典】
監修・奥田拓道
企画・編集機能性栄養食品新聞編集部